ここ数年、目を向けられるようになった『ペットの防災』。
今では「ペット同行避難」についてのセミナーなども増え、飼主さんたちの意識も変わりつつあります。
そして元々のきっかけは、11年前の東日本大震災だったと言われています。


東日本大震災では、ペットと一緒に避難することが周知されておらず、家に置いて逃げる方も大勢いらっしゃいました。
「一時的なことだろう」「狭い場所に閉じ込めるのはかわいそう」…
そして何より、人の命が最優先であること。

飼主さんたちは色んなことを考えたうえで、そうした決断をされたことでしょう。
また、行方不明者も非常に多い、あの大きな被害状況の中では、飼主さんたちはペットの事を言えないような状況や雰囲気だったと推察されます。
結果的に、多くのペットが飼い主と離れ離れになり、ペットが放浪したり、多数の命が犠牲になりました。

この事がきっかけとなり、環境省は2013年に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を策定しました。


ガイドラインが策定された後、2016年に熊本地震が発生しました。
しかしこの当時、ガイドラインそのものをご存じない方も多く、自治体などの避難所運営をする側は勿論、飼主さんたちにも混乱が生じました。
避難された多くの飼主さんが体育館や通路などのスペースを使用して、周りに気を使いながら過ごしていらっしゃったそうですが、ノミ・ダニの問題や鳴き声、ニオイなど、ペットを飼っていない方たちにとってはストレスのかかることでした。

後に、ペット専用の施設なども開設された避難所もありましたが、全ての避難所がそうであったわけではありません。
また、周りを気にして車中泊をされる方も非常に多かったそうです。

こうした経験を経て、環境省は改めて、2018年に「人とペットの災害対策ガイドライン」 を策定しました。
自治体向けにも、一般の飼い主さん向けにもわかりやすいガイドラインになっていますので、ぜひご確認ください。

ガイドラインはコチラ

「ペットがいるから避難できない」と考えていらっしゃる方も少なくありません。
しかし、ガイドラインがあるとおり、避難所にはペットと一緒に逃げてもいいのです。
飼主さんがご自身の命を守り、そしてペットの命も守るように行動することが大事なのです。
「ペットがいるから避難できない」と思い込んで逃げ遅れてしまえば、それこそ飼主さんもペットも不幸になってしまいます。

勿論、自治体によってはペット同行避難を受け入れられない避難所もあります。
ですから、まずは安全なうちに、ハザードマップを確認してみてはどうでしょうか。
ご自宅が無事であれば、無理に避難をする必要はありません。その方が、飼主さんもペットも安心です。
避難が必要であるようなら、ご自身が避難する予定の避難所が、ペット受入れ可能かを調べてみてください。
もしペットの受入れが出来ないようなら、預け先を検討するなど、事前に様々な準備を整えてはどうでしょうか。
これは、飼主である他でもないあなた自身が出来る「ペットを守る方法」です。
ご自身もペットも守ることが出来るのは飼主さんだけです。


ペット同行避難の準備を始めるのは面倒くさいと思ってしまう方も多いでしょう。人間は楽しくないことはできるだけ避けたいと考えるものですから、それは仕方のないことだと思います。

それならば、少しだけ発想を変えて、ペット同行避難の準備を『楽しいこと』に変えてしまいましょう。
それはペットと一緒にお出かけしたり、旅行をしたり、そしてキャンプに行くことです。

ペット同行避難の為に必要となる、ワクチン接種や首輪・リードの準備は勿論、クレート訓練や車に乗る練習などは、ペットとのお出かけや旅行、キャンプにも必須事項なのです。
楽しいことで慣れてしまっておけば、飼主さんもいざという時に慌てる必要がありません。なによりペットもクレートなどに慣れてくれるので、避難の際も比較的スムーズに移動もできるようになることでしょう。

人用の最低限の防災用品と、わんちゃん用の予備リードなどもセットになった「人とペットの防災セット」もございますので、手始めに揃えて頂くのも一つの手かと思います。（防災セットとはついていますが、普段のお出かけにも使える物が入っています）

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ペットと一緒にお出かけする方法が分からないとお悩みの方は、こちらのページも参考にしてみてくださいね。
「キャンプをする方法」と記載していますが、お出かけでも旅行でもすべてに応用できますよ。
こちらの特集ページに詳しくまとめておりますので、ご参考になれば幸いです。

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